No.33

ACTIVITY

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トレッキングと登山の違い

トレッキングと登山、なにが違う?

山へ行くことを表す2つの言葉「トレッキング」と「登山」。どちらも山を楽しむことに変わりはありませんが、一体なにが違うのでしょう?

「登山」は、英語で「mountaineering」、「mountain climbing」といい、山の頂上まで登ることを意味します。ヨーロッパの代表的な山といえば、アルプス。アルプスの頂上まで登るには、途中に氷河があり、岩稜があり、アイゼンやピッケル、ロープといった道具が欠かせません。一方「トレッキング」は、「trekking」といい、登頂にこだわらず、山の中を歩くことを意味します。道具を使わず、2本の脚でできるのが「trekking」なのです。

このように、英語だと「トレッキング」と「登山」では、はっきり目的とプロセスが違います。でも、日本語となると、実は明確な区別がありません。なぜなら、日本では2本の脚で歩くトレッキングの道具と技術で、無雪期ならほとんどの山頂に登ることができるから。一般的に、標高の高い本格的な山へ行くことを「登山」、自然に親しみながら野山を歩くことを「トレッキング」ということが多く、その境界は曖昧なのです。また、「ハイキング」という言葉もありますが、「トレッキング」とイコールだと考えていいでしょう。

“三種の神器”と基本の持ち物。

トレッキングを始める時、最初に揃えたいのが「トレッキングシューズ」、「バックパック」、「レインウエア」です。この3つは“トレッキングの三種の神器”と呼ばれるほど大事な道具。歩くのに適したものかどうかで、トレッキング中の快適さや体の疲労度がぐんと変わってきます。初めてトライするならタウンユース向けでも十分ですが、本格的に始めようと思ったら“三種の神器”は揃えたいもの。それぞれのポイントを押さえて、自分に合った道具を選びましょう。

また“三種の神器”以外にも、持っていると安心&便利なアイテムがあります。ここでは、ごく基本の持ち物を紹介しますので、季節や歩く場所、家族構成などに応じて、必要なものを準備するといいでしょう。

トレッキングシューズ

舗装された道を歩くスニーカーと違い、未舗装の道を歩くために作られた専用シューズで、安定感があり、滑りにくいのが特徴。雨天時や水たまり、ぬかるみに備え、防水性&透湿性にもすぐれている。足首の高さの違いなど、様々なタイプがあるが、平地からある程度の山まで1足でカバーしたいなら、歩きやすさと足首や足裏の保護を両立した「ミドルカット」がおすすめ。実際に試し履きをして、自分の足に合ったサイズを選ぼう。

バックパック

トレッキング用のバックパックは、長時間、重い荷物を背負っても疲れにくいようにデザインされている。1つ買うなら、おすすめは容量30L程度。日帰りトレッキングでも大きすぎず、1泊程度の山小屋泊にも使えるので、汎用性が高く、長く愛用できる。大切なのは、自分の体にフィットしたサイズを選ぶこと。肩から腰骨までの長さ(背負い丈)と、背面の長さが合っているバックパックなら、荷物の重さが腰にも分散し、肩への負担が軽減される。

レインウエア

雨というシビアな状況で自分の身を守ってくれる重要なアイテム。ポンチョ型ではどうしても濡れてしまうので、パンツとジャケットに分かれたセパレートタイプを選ぼう。タウンユースに比べて、トレッキング用は、防水性・透湿性にすぐれているのが特徴。雨の中でも濡れることなく、内側も蒸れないため、快適に歩ける。たとえ晴れの予報でも、山の天気は変わりやすいもの。寒い時には防寒着としても役立つので、必ず携帯しよう。

そのほか、あるとうれしいアイテム集。

ここでは、カヌー・カヤックの注意点を紹介します。とくに気を付けたいのが、フィールドに出られるか、出られないかの判断。初心者が適切に判断するのはなかなか難しいので、はじめのうちはスクールやショップのインストラクターなど、上級者と一緒に経験を積むのがベストです。

●ペットボトル・水筒…トレッキング中、水分補給はマスト!必ず準備しよう。

●地図・コンパス…道標だけに頼らず、地図とコンパスで現在地を確認する習慣をつけよう。

●バックパックカバー…雨天時、バックパックに掛けて荷物を守る。最近のバックパックには、付属しているものも多い。ない場合は、大きなビニール袋でも代用できる。

●ライト…予期せぬアクシデントにより、夜道を歩くことになった時のために。手持ちのライトでもいいが、自然の中では、両手がフリーになるヘッドライトがベスト。

●救急セット…ケガをした時、最低限の応急処置ができるアイテムは携帯しておこう。絆創膏や包帯などのほか、虫よけ、虫さされの薬もあるといい。

トレッキングの達人:教えてくれたのは橋谷 晃さん。

PROFILE
橋谷 晃

東京・阿佐ヶ谷にあるネイチュアリング・スクール『木風舎』代表。自然を楽しみながら歩くトレッキング、雪の森を歩くスノーシューウォークの国内におけるパイオニア。全国の山や森をガイドするほか、テレビやラジオ、新聞などのメディアでも活躍。『NPO法人自然体験活動推進協議会』では理事を務め、指導者養成の活動にも注力している。代表著書に『トレッキングのABC』、『失敗しない山道具選び』(共に、山と渓谷社)、監修本に『NHKテキスト・チャレンジホビー あなたもこれから山ガール』(NHK出版)など。

木風舎:
http://www.mokufusha.com/

おあそびマスターズ

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