アウトドア救急マニュアル
いざという時の応急処置の知識

キャンプなどのアウトドアレジャーには、ケガや火傷など不測の事故が起こる可能性が高い。そんな不測の事態に対処できるよう、救急用具は必ず携帯し、応急処置の知識を身につけておきたい。
基本的には、早く専門医に行くことが一番だが、それまでの、応急処置と救急用具について紹介しよう。


アウトドアでは、ケガはつきもの。だからしっかり覚えよう。
ケガや事故はできるだけ避けたいが、起きてしまったらすぐに対処するのが、被害を最小限に食い止める最大の方法である。しかし、間違った知識や生半可な知識では、かえって取り返しのつかないことにもなりかねない。そして、いずれの処置も応急なので、症状により、速やかに医者に行くことが望ましい。


止血(直接圧迫止血法)
出血や傷の度合いにより、止血にも幾つか方法がある。少量の出血にもかかわらず、止血帯などで長時間止血していると、血液の流れなくなった組織が壊死してしまう。傷も浅く少量の出血なら、清潔なハンカチなどで傷口を直接圧迫する直接圧迫止血法でよい。
なるだけ、傷口を心臓より高い位置に持って行くようにしよう。


止血(止血帯を使う緊縛法)
直接圧迫止血法で止血できない場合は、止血帯を使用する。止血帯には、三角巾やバンダナのような布を5cmくらいの幅に折り、傷口より心臓に近い動脈の部分をきつく縛る。堅い木などを結び付け、出血が止まるまで棒を回し、固定する。長時間そのままにしておくと壊死してしまうので、20〜40分くらいで弛め、再び止血を行う。


骨折
初めに、患部をそえ木で固定する。そえ木の長さは、患部の上下二つの間接の長さ分は必要である。そえ木の代用として、傘や木の枝、テントやタープのポール、ウレタンマットを適当な大きさに切ってガムテープで巻くなど、堅くて適当な長さのあるものなら利用できる。そえ木は、患部に布をあて両方からはさみ、紐やバンダナ、包帯などで動かないように固定する。


やけど
やけどの症状は1度から3度に分けられる(*注参照)。やけどの場合、患部を水で1時間ほど冷やし、症状が変わっていなければ病院に行く。衣服が皮膚についているときは、衣類の上から水をかけて冷やす。しかし、そういった状況は重症なので、すぐ病院へ行く。


日射病・熱射病
直接日光を長時間あびると、体内に熱がたまって倒れてしまう。すぐに風通しのよい場所で寝かせ、衣類を弛め、新聞紙や段ボール、タオルなどで風を送る。意識が回復したら水分(とくにスポーツドリンクが有効)を多量にとらせ、安静にしておく。しかし、すぐに寝てしまうようなら重体。大声で呼び眠らせないようにして、病院に連れて行く。


ヒートロス・低体温症
水に落ちたり、川遊びで長時間水中にいたり、山で夕立に打たれたりしたら、体温は急激に奪われてゆき、震えが起こる。これがヒートロス。さらに、この症状が進むと体が動かなくなり、低体温症という非常に危険な状態になる。水中などで低体温症になると、体の自由がきかなくなり救助が来る前に溺死してしまう可能性もある。そうならないためにも、もし水中に落ちた場合には、平泳ぎなどで体をゆっくり、大きく動かし、血の循環を止めないことが重要。陸に上がったら素早く乾いた衣類に着替え、体を暖め、ココアやスープを与える。アルコールは厳禁。


これだけは揃えておきたい、ファースト・エイド・キット
ファースト・エイド・キットは、密閉性の高いプラスチック容器やステンレスの弁当箱などにひとまとめにして入れておくと、防水性も高く、軟膏などが押しつぶされて中身が出る心配もない。ファースト・エイドは清潔さを保っていなければ意味がない。市販のキットに常備薬やバンダナ、ポイズンリムーバー、抗ヒスタミン軟膏、虫よけスプレーなど各自必要と思われるものをセッティングして携帯していくとよい。なるだけ充実させておくと安心材料にもなる。健康保険証のコピーも入れておくと、いざというとき不必要な出費がかからない。


あると便利なこんなモノ
*注:やけどの度合い
1度の場合
皮膚が赤くはれ、ヒリヒリする。
2度の場合
皮膚面に水泡が出来る。
3度の場合
水泡がつぶれ、壊そをおこす。全身に症状が現れ、すぐに外科医の治療を受ける必要がある。